アマチュアレーサーにとってこの全日本アマスラは年の最後に行われ、勝者にはプロ申請資格があたえられる非常に大きな意味を持つレースであり今年で6回目を迎える。
9月の全日本アマアップでは実力者達に叩きのめされてしまったので雪辱を晴らしたいが、右を見ても左を見ても強豪ぞろい。
三浦ローカルの安斉、中嶋、忽那、検見川の松木、三保の濱口、浜名湖の鈴木、中部の藤田、青木、小島、関西の生田、井津上、竹中、など代表選手の名をあげていくとエントリーしたほぼ全員の名をあげなければないほど密度が濃い。誰が勝ってもおかしくない状況ではあるものの、下馬評では3年連続2ndの安斉が頭1つ抜きでている。アマアップでもプレッシャーをはねのけ見事優勝して波に乗った彼を果たして誰が2ndに追いやれるのだろうか。
1日目
前日〜未明にかけて吹き荒れていた北風が残るものの、オフが強く、果てしなく遠い沖だけが黒くなっており、かろうじてオープンクラスのみ1ヒートが成立して早めのリリース。
2日目
午前:予想以上にレギュラーの北東が吹きあがり、MAXブロウは25ノット超。フィニッシュ船には今まで練習を一緒に積んできた同ショップの生駒プロが乗っているのでいいところを見せつけてやりたい。
■第1レース
予選は第1ヒート。ポートスタートの3ジャイブコース、1/4フリートで11人のうち5人アップ。昨年2位安斉、重鎮藤田、スピードスター竹中、昨年度アマアップ覇者井津上、昨年3位小林、今年アマアップ入賞者長谷川、そして特筆すべきはピザーラオープンクラスで断トツだったスーパー中学生賀来健夫がとうとうスペシャルの舞台に登場。実力者が揃い踏みの熱いオープニングレース。セイルサイズは6.6で十分の風域。
運営の香村・山田プロはブロウが吹き抜けるポイントに1stマークを投じる。三浦が強風の時にはかなりチョッピーな三角波がたち、マークに突っ込む選手たちを苦しめる。スタートも決まり、藤田につづいて2位でフィニッシュ。セミファイナルのスタート直後、藤田がレース海面に紛れ込んできた一般セイラーと接触トラブルで消えてしまった。私は1位通過。ファイナルはほぼ予想通りの面子。スタート5秒前、周囲の動きが異常に早い。私はジャスト0秒でスタートを切るが、ほとんどの選手がすでに数メートル先にいる。当然リコール旗があがり、冷静に2分前の時計をあわせ再スタート。忽那、松木が飛び出し、それを懸命に追う。松木回航のあとに忽那がはいるが、私の目の前で沈。突っ込もうとしていたインには中嶋がはいりこみ、「やばい」と思ってセイルを開き、ランニング状態にしてそろりと忽那のセイルトップの1cm先端をに回航。このときすべてが終わってしまうかと思ったがなぜか冷静でいられた。
さらにインから往年のベテランライダー大館が回航し、松木・中嶋・大館に続き私。2ndマークで大館が中嶋をパス。これで順位がほぼ決まりかと思ったが、3rdマークで中嶋がブロウにセイルをもっていかれて沈。ラッキーなことに3位まであがることができた。
陸本にもどると、リコールが安斎・濱口だったことを知る。
午後:オープンクラスが連続で行われ、昼前ぐらいから風がみるみる落ち出したので、7.6、8.4のデカスラをセット。インサイドは5ノットくらいまで落ちて、いつもの三浦ならこのまま終了してしまうかと思うほどの落ち具合だったが、神様が我々に「レースを継続せよ」というかのように10-16ノットの北東がまた入り始めた。
■第2レース
この奇跡の北東が長くは持たないことを知っている海本の香村・山田プロは的確な判断で1/2フリートかつ2ジャイブ設定に変更。20人の10アップ。
それなりに強いブロウが入っていたので7.6で行くつもりだったが、同ショップライダーで私と体重がほぼ同じ中井が8.4で出ていったので先輩として恥ずかしいと思い、スタート7分前くらいに8.4にチェンジ。
第1ヒートは中部の猛者、青木に続いて2位で通過。この時すでに風は随分落ち着いてきていて7.6だったら即死だった。中井ありがとう。
そしてファイナル。20名スタートなのでスタートで出遅れたらすべてが終了。ビッグフリートで最悪20点がついてしまうため、1レース目のファイナリストはもちろん、セミファイナル8位通過くらいまでの人に優勝のチャンスがある。スタート直前、皆の心臓の鼓動を肌で感じる。オールフェアでスタートを切り、自分的には1番で飛び出したのだが、課題である艇速はやっぱり遅かった。安斉、青木、井津上、松木につるつると前に出られる。松木に先行されると優勝の芽が摘まれてしまうので、ここ1番の集中力で1stマーク回航後、「今までのトレーニングの成果をここで発揮するのだ」と言い聞かせ渾身のパンピングで松木をクリア。だが、これではまだ勝てない。
1レース目、松木0.7ポイントに対して自分3ポイント。3ポイント差でこのレースを終えなければ逆転できない。あと2人抜かなければならないことに気付き、超焦る。2ndマークでなんとか青木をパスするが、回航した時点で2位を走っている井津上に届くにはどうがんばっても到底及ばない距離。「ゴミでも引っ掛けて沈しないかな」などとけしからん思いがふとよぎったための罰か、パスしたはずの青木にまっすぐで抜かされて完全に夢途切れる。
4位フィニッシュでがっかりしつつ、5位フィニッシュの松木に祝辞を言おうと思って振り返ると、その姿がない。5位鈴木、6位生田、7位櫛笥、8位中嶋、9位中井、、、チャンピオンはどこへいったのだ。なんか煮え切らないもやもやした感じで陸本にもどると、「やったな!コージ」と脇元プロ。なんのことやら、と思ったがふと考えると自分が優勝であることに気付くのに時間を要さなかった。
総合で私が1位にのし上げられ、2位はさすがの安斉。リコールしたにもかかわらず2位までのぼりつめるとはなんとすごい人だ。3位はブルーム店長の燻し銀小島。4位は最終レース以外超安定していた松木、5位RSXライダー小川、6位中嶋(この人は絶対どうころんでも入賞にからんでくる)が入賞者となった。
オープンA、オープンB、ビギナーとも、たくさんのレースがプロ選手たちの尽力で安全に行われたことは我々アマチュア全員が感謝の念を抱くところである。
2レースやって、3位、4位でトップなし。ラッキーにラッキーが重なっての優勝は恥ずかしいが、レース全体を見通すと、それなりに予選やセミファイも危なげなく通過できたし、スタートやジャイブなどでツボってしまうことはなかった。
課題だったデカスラも遅いながらもそれなりの順位をとれたし、毎朝のマラソンやチャリでの下半身と体幹とメンタルの鍛練が身を結んだのだと思いたい。スラのレースレポートなのにこんな長文が作成できるということは、自分よりも前を走っていた選手がいかに多かったことか。そして来年は「去年はよかったのにね」と言われないような戦闘能力を身に付けて臨みたい。
全日本アマチュアスラローム スペシャルクラス優勝 大数加 光治
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