今シーズンのアップウインドシリーズ、第1戦となる「アップウインドチャンピオンシップ蒲郡2010」。5月28日(金)、大会前日にも関わらず、 各地から選手が続々と蒲郡に集まってきた。まず最初に現場に現れたのは、九州・大分県から参戦の穴見選手と大内選手、そして神奈川県から山田選手、香村選手、国枝選手。さらに甲子園からディフェンディングチャンピオンの寺前選手と竹中選手が続いた。
好天と風に恵まれた大会前日の蒲郡は、9.0〜12.0m/sのセイルや新しいボード、フィンをテストできる環境となり、各選手にとって良い調整日となったようだ。
前日、そして平日ということもあり、その後に顔を出した選手は少なかったが、アップウインドが盛んな地域から選手が集まったということもあり、道具のチューニングなど情報交換も盛んに行われ、蒲郡はアップウインド独自の空気に包まれ始めた。
晴れればほぼ確実に行われる蒲郡のアップウインドレースが明日から開催される。
大会初日
アップウインド国枝委員長の挨拶で今年のアップウインド第一線は始まった。参加者は約40名、そのうち女子は2名となっている。海上本部長の前地氏のス キッパーズミーティングによると、名古屋は今年、異常気象で例年より寒く、この時期でも北西風が吹いているという。レースは、気温が上がって午後からの サーマル南西狙いになりそうだ。
なかなか吹かない風。ゆっくりとした一日が過ぎていく。
午後になると地元、蒲郡東高校の生徒たちが集まりビーチクリーンが始まった。明日は5月30日、ゴミゼロ(530)の日ということでの作業だという。大会参加者たちも自主的に参加となり、ビーチのゴミを集めていく。どうやら昨晩、ここで花火をした人たちがゴミをそのままにしているようで、そのゴミもあわせて大量のゴミが拾われた。またゴミの中には、風で飛ばされたのかフィンケースも!
初日はこのままノーレースで終わってしまうのかと思われたが、2時を過ぎた頃にそよそろとサーマルが吹き始めた。いち早く様子見で海面に出たのは、大数加選手。時折、11㎡でプレーニングをしている。それを見た選手たちは慌ただしくセッティングを開始。
風が吹き始めた。しかしなかなか安定してこない。6から9ノット。どうやら、南東から吹く風と、サーマルの南西がぶつかりあっているようだ。
安定し始めた3時50分ごろ、第一レースがスタートした。風はミニマムギリギリ。一上トップは寺前。
しかし、一気に風が落ちこのレースはキャンセルとなってしまった。
東南の風が強くなって安定し始めた4時10分ごろ、再スタートが切られた。ミニマムギリギリの風と、海面のうねりが選手たちを苦しいめる。スムーズにスタートを切ったのは有力選手たち。なかなかボードを走らせるのが難しいコンディションだ。
そんな中、飛び出した長谷川が一上トップとなり、それを僅差で山田が追う。
ふたりの女子はデッドヒート。終始テール・トゥ・ノーズの争いだ。

ミニマムギリギリ、止まってしまうのではないかと思われるコンディションの中、安定した走りで二上でトップに躍り出たのは寺前。そのまま一気に下らせてトップフィニッシュとなった。
1Rの結果は、寺前勝巳、安斉大輔、香村治彦、山田昭彦、浦上正樹、長谷川篤、塚崎智晴、大数加光治、白藤幸則、井津上典洋となり、女子は27位に乗富麻美、28位に高野智津子となった。
南東の風がしっかりと入り始め、上マーク付近では14ノットの風が吹いている。上下の距離が1Rよりも長く設定され、4時50分過ぎに2Rがスタートした。1Rよりも強い風とうねりがスタートする選手たちを苦しめる。
しかし1Rよりも一気にレースが展開して行く。広い海面に飛び散った選手たち。時間的にも今日のレースはこれが最後だ。
トップで戻ってきたのは塚崎と浦上。アウターを回り、浦上とのバトルを振り切った塚崎がトップフィニッシュだ。

2Rの結果は、塚崎智春、浦上正樹、山田昭彦、国枝信哉、松本悠輝、寺前勝巳、宮川秀樹、生田宏行、香村治彦、井上幾郎となり、女子は24位に乗富麻美、28位に高野智津子となった。

初日暫定順位は以下のようになった。
1:浦上正樹、山田昭彦、寺前勝巳
4:塚崎智春
5:香村治彦
6:安斉大輔
7:松本悠輝、宮川秀樹
9:生田宏行
10:井津上典洋、白藤幸則
昨年のこの大会でも1レーストップを取った525塚崎智晴と初日暫定首位のJ17寺前勝己
大会2日目
ゴミゼロ(5月30日)ということもあり、早朝から地元の人々が集まってビーチクリーンが始まった。選手たちも参加したが、ゆっくりとした時間は午前中だけで、午後は慌ただしく過ぎ去っていった。
昼前から南東の風がビーチに届き始めた。海上では10〜14ノットの風がコンスタントに入っているという。マークはすでに打たれ、12時30分には選手たちが続々と海に集まってきた。そして一気にレースが始まり、約3時間半の間に4レースというハードな一日が始まった。
昼前から南東の風がビーチに届き始めた。海上では10〜14ノットの風がコンスタントに入っているという。マークはすでに打たれ、12時30分には選手たちが続々と海に集まってきた。そして一気にレースが始まり、約3時間半の間に4レースというハードな一日が始まった。
3R、逃げる寺前、追う松本、香村。好調の寺前が終始トップを譲らずにそのままトップフィニッシュ。 3Rの結果は、寺前勝己、香村治彦、国枝信哉、松元悠輝、浦上正樹、山田昭彦、井津上典洋、宮川秀樹、井上幾郎、長谷川篤となり、寺前が好調を維持し単独首位に躍り出た。

引き続き第4Rレースがスタートし、ここでも寺前がトップを獲得。この時点で首位を確定させた寺前はビーチに戻ったあと、「もうええやろ。充分レースした」とコメント。しかし、風はさらに強くなり、運営もほかの選手も寺前の勝ち逃げは許さない。 4Rの結果は、寺前勝己、山田昭彦、香村治彦、国枝信哉、塚崎智晴、安斉大輔、井上幾郎、中嶋基、松本悠輝、生田宏行

2時過ぎに第5レースがスタートした。このレースが成立すればカットレースが成立し、順位が大きく入れ替わる可能性がある。ここでトップを取ったのは山田。これまで上位にはいたものののトップフィニッシュがなかった山田だが、これで優勝の可能性が出てきた。
5Rの結果は、山田昭彦、香村治彦、寺前勝己、浦上正樹、松本悠輝、国枝信哉、塚崎智晴、生田宏行、長谷川篤、安斉大輔

2時50分頃、最後のレースとなる第6レースがスタートした。カットレースが入り、順位の入れ替わりが激しくなっている。とくに上位の3人、寺前、香村、山田のポイント差はわずかだ。またベストアマチュアを争う塚崎と松本もこのレースの結果次第では入れ替わりもある。

このレースで飛び出したのは井上。1上までグングンと上り、1下、2上まで逃げ切る。しかしすぐ後ろに付けていた香村がその後の下りで抜きさり、トップフィニッシュ。エネルギー切れの寺前が6位フィニッシュとなり香村の大逆転総合優勝となった。
6Rの結果は、香村治彦、長谷川篤、井上幾郎、山田昭彦、国枝信哉、寺前勝己、生田宏行、塚崎智晴、安斉大輔、宮川秀樹
昨年も好レースが展開された「アップウインドチャンピオンシップ蒲郡」は今年も6レース行われ、新女子チャンピオンの誕生、風を知りつくした五輪銅メダリストも参戦し、充実の内容で幕を閉じた。
総合優勝はJ57香村治彦(TEARS/M.R.C/SEVERNE/STARBOARD/PROLIMIT/ON’S)、
準優勝はJ17寺前勝己 (SPOOKY/GAASTRA/STARBOARD/CARVY)、
3位はJ67山田昭彦(JP/NEILPRYDE/PROLIMIT/デボシー /TEARS/MRC/ZEN)となり、
ベストアマチュアに総合6位の525塚崎智晴(BUZZ/CARRERAWORKS)、
ウイメンズ優勝は総合27 位の1031乗富麻美(LANAI’S BEACH CLUB)
という結果となった(他はリザルト参照)。
JPWAジャパンサーキットのアップウインドシリーズの次戦は秋の大分「梅園カップ」だ。またその前にJPWA後援で夏の神奈川県津久井浜「ドリームカップ」が行われる。

総合表彰

総合優勝のJ57香村治彦

総合6位、ベストアマチュア賞の525塚崎智晴

ウイメンズ優勝の1031乗富麻美
写真と文 JPWA広報委員・中川昌幸
photo & text by M Nakagawa
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