新潟でジャパンサーキットの大会が開催されるのは約20年ぶりのことになる。開催県の新潟はウインドサーフィンのメッカのひとつであり、ゲレンデも多く、楽しむ人々も多い。そんなローカルウインドサーファーの柵木氏、富澤氏らが中心となって、とうとう「日本海カップ」が開催を迎えた。
当時の大会に参加し、いまもまだジャパンサーキットに参加し続ける選手は少ない。現在のサーキット常連の選手たちの中に、新潟のコンディションについての情報は当然少ない。しかし、現地からの情報や当時を知るウインドサーファーの情報をもとに新潟県野積海岸に乗り込んできた。エントリー数は、サーキットクラスは男女あわせて54名、オープンクラスは男女ダブルエントリーあわせて29名だ。
メイン会場の野積海岸は、日本海側が高気圧で覆われると高い確立で4〜10m/sの北〜北東の風が入るという。梅雨入り前後は10m/s以上の風が期待出来るらしい。大会は2日間、JPWAの新たな試みに対しての準備はすべて整った。あとは風を待つのみだ。
大会初日
日本各地が梅雨入りとなり、新潟の空も梅雨空に包まれてしまった。
9時から予定通り、開会式、スキッパーズミーティングが行われたが、海上はほぼ無風状態となり、長いウエイティングとなってしまった。
大会会場の野積海岸は、昨日のように快晴であれば、すぐ前に佐渡島の全景を眺めることができる。砂浜のビーチも幅広く、もし風が吹いてくれれば、見る者をも楽しませてくれる最高のスラローム大会になりそうだと期待させてくれる。

風待ちの長い間、選手たちは思い思いの時間を過ごす。情報交換、風乞い(?)、そしてキックベース(笑)。
午後3時を過ぎたとき、初日のレースはキャンセルとなった。そして、明日の予報が西よりとのことで、会場が寺泊中央海水浴場へと変更になった。野積海岸は、すぐ後ろにある弥彦山の影響で西風がまったく入らないらしい。

大会2日目
昨日夜行われたFIFAワールドカップ日本対オランダの余韻を残したまま、JPWA日本海カップ大会2日目が始まった。
天候は曇っているが、時折強い日差しが差し込んでくる。初日よりは風を感じ、期待を持たせるコンディションのため、選手たちも道具の準備を行っている。しかし期待の西風はなかなか上がってこない。
10時を過ぎた頃、風がやや上がり始めた。しかしサーキットクラスの進行を促すような風速には至らないため、11時からオープンクラスが開始となった。
「日本海カップ」には、地元・新潟、そして日本ウインドサーファー期待の選手である富澤慎選手もエントリーしているため、地元TV局のTeNYスタッフも初日から取材に訪れている。もちろん取材対象の中心は富澤選手なのだが、ぜひともプレーニングレースの撮影を行って、ウインドの魅力をたくさんの 人々に伝えてもらいたいものだ。

やや長めのレグで、フィギュア8形式のレースとなったオープンクラス。時折のブローを掴んで、第1ヒートでは中井選手や大数加選手、第2レースでは富澤選手がプレーニングをするが、その距離は短い。そんなコンディションにも関わらず、トップを走る富沢選手はほかの選手に1レグ以上の差をつけてフィニッシュする。その状況はまるでレースではなく、フリーライディングだ。

オープンクラスレディスはまるで1発勝負の耐久レース。トップフィニッシュは岩井選手。フィニッシュ時に思わずこぼした「疲れたぁ〜」の言葉は全選手の同意だろう。2位の白藤選手は疲労感たっぷりの表情でフィニッシュ。

オープンクラスメンズファイナル。直前に富澤選手はセイルを落とし、スタートに手こずった模様。そこで飛び出したのは、ひとりFWボードの白藤選手。パンピングでなんとかプレーニングするも、すぐに失速。
じわじわと富澤選手が追い上げてくる。トップを争う選手たちが1stマークにたどり着く間際、風が北に振れたようで全員がタックを入れてのマーク回航となった。その時点でとうとうトップが富澤選手に入れ替わる。その後も、時折のブローを掴んでひとりプレーニングを見せる富澤選手がダントツのトップでフィニッシュ。

この時点で、全員参加のファンレース開催も検討されたが、なんとかオープンクラスを成立させた風もほぼ無風状態となり、サーキットクラスはノーレースで終了となった。
PWA韓国・ウルサンやスペイン・コスタブラバ帰りの選手たちがどんなパフォーマンスを見せてくれるか。またオリンピック選手の富澤慎選手がいつもと違う競技のスラロームで、どれだけの能力を発揮するか。そして、新しい舞台となった新潟の海の魅力と、多くのトピックスがあったものの、風だけが今回は 味方になってくれなかった。残念だがこれもまたウインドサーフィン。
地元新潟のお米が景品となったじゃんけん大会も開催され、すべてのスケジュールが終了となった。いつもなら大会の主役は優勝選手なのだが、この大会の主役は若干異なったかもしれない。というのも、夫婦揃って準優勝となり賞品のお米を手に入れた白藤夫妻が、このじゃんけんでも勝利し、合計9kgものお米をゲットしたのだから。
JPWAジャパンサーキットのスラームシリーズの次戦は夏の千葉県「検見川浜ボードセイリングサマーカップ」だ。新潟同様、各地からウインドサーファーが集まるだろう!



王将茶屋賞 4747松本大選手
写真と文 JPWA広報委員・中川昌幸
photo & text by M Nakagawa
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