ドロータ・スタヴェスタ、ジミー・ディアス、ピター・ビジョー、ケビン・プリチャード、そしてジェスパー・ジェスターストーンら海外大物選手はいつもこの時期に来日した。その目的は今年で13回目を迎えた「梅園カップ」が目的だ。今年は、残念ながら来日予定だったジェスパー・ジェスターストーンが怪我のために急遽不参加となったが、国内トッププロを中心に72名のウインドサーファーが国東市安岐町塩屋海岸に集まった。
今回から『梅園カップ』は、「JPWAプロアマオープンジャパンツアーアップウインド(サーキットクラス)」を中心に、「テクノ239全日本選手権」と「梅園CUPアマチュア選手権」が、そしてすぐ近くのマリンピアむさしでは「第2回むさしオータムレガッタ」が行われる。しかも選手だけでなくギャラリーをも対象に、随時さまざまなイベントが行われるため、塩屋海岸は朝早くから賑わい、イベントへの期待感は増々高まっていった。

大会初日
大会会長・国東市長・野田侃生氏らVIPの挨拶、そしてJPWA理事長・石原智央の挨拶、ジュニア選手の選手宣誓のセレモニーで「梅園カップ2010」は幕を開けた。ビーチの雰囲気やセレモニーの舞台は、プロツアー、そして全日本選手権の名前に相応しい様相だ。あとは風だ。





午前中は残念ながらほぼ無風だった。しかしその間も主催者は数々のイベントを用意し、参加者やギャラリーを飽きさせない。“勾玉作り体験”、“宝探し”、“アクエリアス早飲み競争”、“抽選会”などなど。ラーメン、コーヒー、ケバブ、カレーの出店も出店。また国東市で行われている賞金30万円のかかったフォトコンテストがこの「梅園カップ」も対象となっているため、写真愛好家も集まっている。彼らにはぜひプレーニングするウインドサーファーたちを撮って、賞金を獲得してほしい。

午後になって風が吹き始め、とくに風向さえ安定すればレースが即行われるテクノ293出場の選手たちの動きが慌ただしくなってきた。同様にインサイドで行われるキッズ、スーパーキッズ、ビギナークラスの選手たちも同様だ。午後2時30分過ぎ、沖でテクノ293クラス第1レースが開始された。

マックスで約5ノット、終始微風のコンディション、猛パンピング、忍耐力と持久力の勝負となったテクノ293クラスは2レース行われ、東京海洋大学31-4三石真衣選手が暫定トップとなった。
サーキットクラスは残念ながら風速規定に達せず初日はノーレースとなり、2日目に期待となった。
2日目は午前10時からレーススタート開始予定だ。





初日夜
毎回恒例のレセプションパーティーが開催された。会場は、選手の宿泊施設にもなっている「梅園の里」。今回は同時開催の「第2回むさしオータムレガッタ」のメンバーも集まり、会場は大賑わい。大会ムービー&スティール上映もあり、ウインドサーフィンとヨットの交流会としても盛り上がった。

大会2日目
深夜に降った雨がビーチを湿らせている。集合時間には雨は止んでいたが、空模様は非常に怪しい。風は吹いてくれるのか!?
スキッパーズミーティング時の風はほぼ無風だ。昼には天候が変わりそうだが・・・。
10時過ぎた頃、テクノ293クラスのアナウンスが流れ、ぞくぞくと選手たちが海面に出て行く。ミニマム風速規定の無いテクノ293クラスは、10時30分過ぎになって第3レースが開始された。またインサイドではビギナークラス、キッズ、スーパーキッズクラスも開始。が、しかしサーキットクラスはまだまだウェイティングが続いた。


弱い風、潮流、ビーチ際のテトラ群、難しいコンディションの中で行われたビギナー、キッズ、スーパーキッズ。ギャラリーに見守られながら数多くのレースを消化していく。出場選手の中には初めて大会に出場する選手も多くいるようだ。コンディションは難しく、レース中の選手の顔は厳しいが、フィニッシュすると笑顔になる。白熱し、楽しいレースが続いた。


午後2時30分、待ち続けた風は結局吹くことが無く、サーキットクラスはキャンセルとなり、ファンレースのZ旗が掲揚された。ファンレースといえども「梅園カップ」のタイトルは掛かり、また上位3人には遠征補助金が与えられる。パンピングすればそこそこ走るコンディションのため、参加者ほぼ全員が海面に出て行った。
そしてこの時点で、今年度のJPWAアップウインド年間チャンピオンが「アップウインドチャンピオンシップ蒲郡2010」の覇者であるJPN57香村晴彦に決定した。

北東、風速5〜7ノット。コースに向かってくる選手たちの中には525塚崎智晴など見事にプレーニングしてくる選手もいる。しかし、「梅園カップ」名物(?)の強い潮に手こずりうまく乗り切れない。今回のファンレースは上下1周だ。いちどのゼネリコのあと、ファンレースがスタートした。351浦上正樹やJ24井津上典洋、J17寺前勝己らがなんとかプレーニングして右に、左に広がっていく。しかし、ほとんどがプレーニングに至らずぐいぐいと上らせていく。

1上をトップで回ったのはJPN57香村晴彦と思いきや、同じセバーンセイルのJ115富田純。続いてJPN22国枝信哉、J17寺前勝己。そのままの順位で下マークに下ってくる。必死にこぐ富田、追う寺前と国枝。富田は下マークをトップで周り、後続に目をやりながら逃げる。そしてそのままフィニッシュを切り、寺前と国枝が続いた。ウイメンズは「アップウインドチャンピオンシップ蒲郡2010」に続き、1031乘富麻美がトップに立った。


サーキットクラス出場選手全員がフィニッシュし、表彰および閉会の準備が進んでいく。しかしレースはまだ終わらなかった。出艇申告を怠った選手がいたことが発覚したのだ。その選手はなんとトップフィニッシュの富田だった。ノーティスボードには、「サーキットクラスファンレースにおいて「115」のセールNoの選手は出艇申告を怠った為(帆走指示書6項に違反)3ポイントのペナルティーが付加されるものとする。」とある。愕然とする富田、しかしプロ選手であるならば、全選手の模範となるような行為を心がけて欲しいものだ。
結果、ファンレース優勝はJ17寺前勝己、準優勝にJPN22国枝信哉、3位にJ115富田純となり、ウイメンズ優勝はは1031乘富麻美となった。

サーキットクラス総合表彰

サーキットクラスウイメンズ表彰
風には恵まれなかったが、テクノ293クラス全日本も開催され、多くの参加者を集めることに成功した「梅園カップ2010」は終了した。盛大な開会式、ギャラリー、さまざまなイベント、レセプションパーティー、そしてレースと近年稀にみるスケールが「梅園カップ」カップにはある。レースは天候次第。しかし、このイベントはその不足部分を補うさまざまな魅力があった。来年もきっと大きなイベントとして、数多くのウインドサーファーを満足させてくれるだろう。


スーパーキッズクラス表彰

キッズクラス表彰

ビギナークラス表彰

ビギナークラスレディース表彰

ロングボードクラス表彰

テクノ293 U-13クラス表彰

テクノ293 U-15クラス表彰

テクノ293 全日本選手権U17レディースクラス表彰

テクノ293 全日本選手権U17メンズクラス表彰

テクノ293 全日本選手権U17表彰

テクノ293 全日本選手権OAレディースクラス表彰

テクノ293 全日本選手権OAメンズクラス表彰

テクノ293 全日本選手権OAクラス表彰

Baien Cup Circuit Class Winners
写真と文 JPWA広報委員・中川昌幸
photo & text by M Nakagawa
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